2009年7月16日木曜日

〈Ave verum corpus〉

私が指揮者をしている小さな聖歌隊では,普段はヘンデルやバッハ(時にはシュッツ)などのバロックの曲を演奏することが多いのですが,次回についてちょっと考えた末この〈アヴェ・ヴェルム・コルプス〉をすることにしました。

モーツァルト晩年の,弦楽の合奏に乗せて4声で歌われる,とても美しく有名な曲をラテン語で歌います。弦楽はないので,オルガン伴奏でする予定です(コントラバスは入れられるかも)。

この曲も昔から知っていていつかやりたいと思っていましたし,私が指揮者をしていた聖歌隊で私が引っ越した後に知り合いが指揮をされてこの曲を取り上げて歌われたのを,たまたま聞く機会があって,自分ならこうするのに!と思っていたのでした(笑)。

ただ,当時はこの曲の特に歌詞や背景について何も知りませんでしたし,教会暦としてもカトリックの聖体祭用の歌なので,それらを一通り勉強した今ようやくちゃんと理解して歌えそうなので(あくまでも指揮者の私がですが),やっておきたいと思います。

既に練習は始めていますが,真ん中の転調する部分がやはり難しくて,それでもきちんとできると和声ごとにの風景の切り替わりが鮮やかで,さすがモーツァルト!と感じてます。

この曲には表題に「モテット」とあって,6月にBCJによるバッハのモテット集を聴いて来たところですし,中世の音楽モテット(モテトゥス)の起源にあたる曲も音楽史で見ているので,自分の中ではつながっています。

今は,昔聴いてやってみたいと思った宗教曲や,高校時代所属していた合唱団でもやったけど自分なりの解釈でやり直してみたいと思う曲を取り上げています。一方で,バッハの《ロ短調ミサ》やヘンデルの《メサイア》も少しずつ取り上げていきます。

3 件のコメント:

  1. 1回出張で抜けた週に,代わりの方に音取りしていただいての,第3回目。

    前回練習したという18小節まで,まずは発音と意味を確認しての朗読をして,それから音取り。基本的には音は取れているので,アクセントと強弱に気をつけながらよりしっかり各パート取って,それから2パートくらいずつアンサンブルをして,それから下3つをアンサンブルをして,それにソプラノを載せました。

    まだまだ精度は上げられそうですけど,それでもモーツァルトの美しい和音が響きました。18小節まででしたけど,そこまで歌った後で,会衆席で聴いておられた方から拍手が!

    聖歌隊の皆さんの顔もほころんだ一瞬でした♪


    それにしても,バッハやヘンデルとは,歌詞の音への載せ方や,音がどこに行きたいかの方向性が全く違うので,今練習しているフレーズのまとめ方も随時変えていかないといけないようです。それは私の勉強不足でもありますが,「モーツァルトこのやろ(笑)」というシャクなところでもあります。

    最小の音数でよくこれだけの美が作り出せるものだと,それまで苦手だったモーツァルトを初めて実際に歌ってみてわかりつつあります。

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  2. 「Cujus latum perforatum」(その脇腹は刺し通され)のイ長調からハ長調を経て♭圏のヘ長調その他に行くというところですが,やはりそれまでの#圏から♭圏に移るのが難しくて,ちょっと難航しそうです。

    歌詞の内容が厳しいので,モーツァルトもそれにインスパイアされてそういう転調をしているんだと推測しますが(♭がバッハのように人間とその罪を表しているかどうかまではわかりませんが),その後の〈unda〉(波=脇腹を刺した時に流れた水)の所に増4度の「悪魔の音程」もありますし,「やるな,モーツァルト!」と思ったのでありました。

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  3. 本番終了しました!

    各パートに若干メンバーを欠いていましたが,全体としては集中して良い感じでてきたと思います。

    本番前の練習で,ソプラノにメッサ・ディ・ヴォーチェの確認だけして,これも良い感じでできたのではないかと思います。

    それにしても,この曲も音にムダがないので,1つ1つの音をきちんと意識して振っていると,短い曲なのにとても疲れます。

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