Magnificatの第3曲Quia respexit「(この卑しいはしために)目を留めてくださったからです」の中に,アルトのパートブックの中に「Fifara」と「Flauto」が
テノールのパートブックの中に「Pifara」と「Flauto」が出てくる。
ただし,おそらくキアヴェッテで書かれているので,今歌っている現代譜では完全4度下げてある。
このうち「Flauto」はこの時代はリコーダーのことなのでそれは問題ないとして,「Pifara」は「Fifara」の間違いでは?という説もあるものの,現代イタリア語ではpiffero,英語でもfifeやpipeと言われる横笛を指しているらしい。
PifaraにしてもFifaraにしても「ぴ~ひゃら」と同じく擬音から来ている。
で,K子さんからこの部分とAve Maris Stellaのリトルネットの一回をリコーダーにまかされた。
Ave Maris Stellaのリトルネッロは各パートブックの中に入っていて,音部記号からすぐわかるように,カントゥス(現代ではソプラノ)はソプラノ譜表で,
セプティムス(歌のパートとしてはソプラノ)はソプラノ譜表で,
アルトゥスはアルト譜表で,
テノールはテノール譜表で,
バッススはバス譜表(ヘ音記号)で。
これにあと通奏低音がバス譜表で4回ある。
メンスーラ記号がなぜか1回違うところが面白い。
「メンバー決めて下さいね」
ということで急いでとりあえず決めさせて頂く。
その結果も含めてK子さんにメールしたところ,返事に
「ピッファリ隊長」
と頂いた。
そのことをFacebookに書いたら
「ピッファリって何ですか?」
という質問があったのでとりあえず回答したけど,その後きちんと調べた。
piffariはpiffaroの複数形で,木管楽器のこと。
16世紀にはショームを指していたらしく,fifferoで横笛を指していたけど,17世紀にはpiffaroでも横笛を指すようになったらしい。
ヴェスプロでもこのあたりの「混同」が反映されているのかもしれないけど,少なくとも片方をショームで吹くという可能性はないと思うから,吹くとしたら2パートとも横笛ということになるだろう。
ただ,そうなるとルネサンス・フルートが必要になって,自分としては持っているけど,短いとは言え人様に聴かせる演奏ができるかどうかはちょっとわからないし,もう1パートもルネサンス・フルートが吹ける人がいるかどうかもわからないので,今のところはリコーダーで吹く予定。
ルネサンス・フルートの明るく軽やかなキャラクターがほしいといえばほしいところだけど,ルネサンス・リコーダーの明るい音色なら大丈夫だろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿