私が指揮者をしている小さな聖歌隊では,普段はヘンデルやバッハ(時にはシュッツ)などのバロックの曲を演奏することが多いのですが,次回についてちょっと考えた末この〈アヴェ・ヴェルム・コルプス〉をすることにしました。
モーツァルト晩年の,弦楽の合奏に乗せて4声で歌われる,とても美しく有名な曲をラテン語で歌います。弦楽はないので,オルガン伴奏でする予定です(コントラバスは入れられるかも)。
この曲も昔から知っていていつかやりたいと思っていましたし,私が指揮者をしていた聖歌隊で私が引っ越した後に知り合いが指揮をされてこの曲を取り上げて歌われたのを,たまたま聞く機会があって,自分ならこうするのに!と思っていたのでした(笑)。
ただ,当時はこの曲の特に歌詞や背景について何も知りませんでしたし,教会暦としてもカトリックの聖体祭用の歌なので,それらを一通り勉強した今ようやくちゃんと理解して歌えそうなので(あくまでも指揮者の私がですが),やっておきたいと思います。
既に練習は始めていますが,真ん中の転調する部分がやはり難しくて,それでもきちんとできると和声ごとにの風景の切り替わりが鮮やかで,さすがモーツァルト!と感じてます。
この曲には表題に「モテット」とあって,6月にBCJによるバッハのモテット集を聴いて来たところですし,中世の音楽モテット(モテトゥス)の起源にあたる曲も音楽史で見ているので,自分の中ではつながっています。
今は,昔聴いてやってみたいと思った宗教曲や,高校時代所属していた合唱団でもやったけど自分なりの解釈でやり直してみたいと思う曲を取り上げています。一方で,バッハの《ロ短調ミサ》やヘンデルの《メサイア》も少しずつ取り上げていきます。
今はテオルボでの通奏低音を中心に活動しております。 お気軽に musicaantiquaohmi(at)yahoo.co.jp((at)は@に変更をお願いいたします) にご連絡いただれば幸いです。 湖国に住みながらなぜか阪神方面,名古屋,東京での活動が多い,テオルボ(キタローネ),バロック・ギター,(ルネサンス・)リコーダー奏者です(エレキベースやアコースティック・ギター奏者,合唱指揮者,オーケストラ練習指揮者も務めていました)。 本職は別にありますが,これまでリコーダーやバロック・ギターのコンサート,リコーダーや1750年までの(教会)音楽史,旧約聖書の音楽や原語のヘブライ語についての講演などを行っています。
2009年7月16日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
感謝の響きVol.9~祈り 飛翔 歓び(2020/12/29、兵庫県立芸術文化センター神戸女学院小ホール)
感謝の響きVol.9~祈り 飛翔 歓び http://musikbell.com/concert.html 9月に引き続き、La voce del Seicentoで出演します! 感染を防ぐために入場を制限することになっておりますので、お手数ですが整理券を下記のサイトでお申し込...

-
所有しているリコーダーその他楽器について書かなければと思いつつ時間が経っておりますが,最近Twitterにも載せた写真を掲載します。 簡単なコメントも付けます〔◯は普段,◎は特に普段使っているもの)。 【フラジオレット】 ・ 平尾工房 xi ※2012年の横浜のコン...
-
今年度も始まりました1750年までの音楽史の講義です。 春学期は旧約聖書の時代から1517年頃までなので,そのあたりのリコーダーのレパートリーは実際には吹きませんが,バロックの曲を色々とリコーダーで吹くことで,学校でしか習っていないはずのリコーダーに対する見方が変わると良いな...
-
春学期は案外サボってしまったのですが,秋学期の音楽文化論Bでは公開練習も兼ねてリコーダーを吹くことにしました。 時代的にもルネサンス後期からバロックに入りますし,レパートリーとしても選択はしやすいです。 今年は,去年のようなバロック・アンサンブルができるかどうかは微妙です...
1回出張で抜けた週に,代わりの方に音取りしていただいての,第3回目。
返信削除前回練習したという18小節まで,まずは発音と意味を確認しての朗読をして,それから音取り。基本的には音は取れているので,アクセントと強弱に気をつけながらよりしっかり各パート取って,それから2パートくらいずつアンサンブルをして,それから下3つをアンサンブルをして,それにソプラノを載せました。
まだまだ精度は上げられそうですけど,それでもモーツァルトの美しい和音が響きました。18小節まででしたけど,そこまで歌った後で,会衆席で聴いておられた方から拍手が!
聖歌隊の皆さんの顔もほころんだ一瞬でした♪
それにしても,バッハやヘンデルとは,歌詞の音への載せ方や,音がどこに行きたいかの方向性が全く違うので,今練習しているフレーズのまとめ方も随時変えていかないといけないようです。それは私の勉強不足でもありますが,「モーツァルトこのやろ(笑)」というシャクなところでもあります。
最小の音数でよくこれだけの美が作り出せるものだと,それまで苦手だったモーツァルトを初めて実際に歌ってみてわかりつつあります。
「Cujus latum perforatum」(その脇腹は刺し通され)のイ長調からハ長調を経て♭圏のヘ長調その他に行くというところですが,やはりそれまでの#圏から♭圏に移るのが難しくて,ちょっと難航しそうです。
返信削除歌詞の内容が厳しいので,モーツァルトもそれにインスパイアされてそういう転調をしているんだと推測しますが(♭がバッハのように人間とその罪を表しているかどうかまではわかりませんが),その後の〈unda〉(波=脇腹を刺した時に流れた水)の所に増4度の「悪魔の音程」もありますし,「やるな,モーツァルト!」と思ったのでありました。
本番終了しました!
返信削除各パートに若干メンバーを欠いていましたが,全体としては集中して良い感じでてきたと思います。
本番前の練習で,ソプラノにメッサ・ディ・ヴォーチェの確認だけして,これも良い感じでできたのではないかと思います。
それにしても,この曲も音にムダがないので,1つ1つの音をきちんと意識して振っていると,短い曲なのにとても疲れます。